夏野菜は、何もしなくてもおいしいものが多いです。問題は「何もしない」の加減で、そこだけ少し気をつけると、家庭でも十分においしく食べられます。

きゅうりは塩と時間だけで十分

きゅうりを浅漬けにするとき、余計な調味料を入れすぎないことが大事です。塩と昆布だけで一晩置けば、きゅうり自体の甘さと水分が出てきます。砂糖や酢を入れると、きゅうりの味が隠れてしまいます。細いきゅうりは皮が薄いので、塩の量を少し控えめにするといいです。

ナスは油を吸わせることを恐れない

ナスを炒めるとき、油が足りないと焦げて固くなります。ナスは油を吸う野菜なので、最初に多めの油で炒めて、表面に油を行き渡らせることが大事です。当店では揚げ浸しにすることが多く、揚げたナスを出汁と薄口醤油で作ったつゆに浸します。冷やして出すと夏らしい一品になります。

トマトは冷やしすぎない

トマトは冷蔵庫で冷やしすぎると、甘さと香りが飛びます。食べる一時間前に冷蔵庫から出して、常温に近い状態で食べるのが一番おいしいです。塩と少しのオリーブオイルだけで十分です。当店では夏の小鉢にトマトを使うとき、冷蔵庫から出してすぐには出しません。

枝豆は茹で時間が全て

枝豆は茹で時間が一分違うだけで食感が変わります。沸騰した湯に塩を多めに入れて、三分半から四分が目安です。茹で上がったらすぐに広げて冷まします。水にさらすと水っぽくなるので、ざるに広げて自然に冷ます方がいいです。塩は茹でる前に枝豆に揉み込んでおくと、色が鮮やかになります。

夏野菜は手をかけすぎると、野菜自身の味が消えます。何をしないかを決めることが、シンプルな料理の核心だと思っています。