
鰆の西京焼き定食
三重県産の鰆を白味噌と酒粕で二日間漬け込んでから焼きます。付け合わせは佐藤農園の茄子の煮浸しと、自家製の柴漬け。ご飯は地元・世田谷の精米所から届く新潟産コシヒカリです。
田中 誠一の店を開いたのは2019年の春、東京・世田谷の住宅街の一角でした。それまでは京都の懐石料理店で七年間働き、その後は都内のビストロで二年ほど料理長を務めていました。懐石で学んだのは「引き算の美学」で、ビストロで学んだのは「気取らずに食べてもらうこと」でした。その二つを合わせたら、こういう店になりました。名前の通り、シンプルに、ちゃんとおいしいものを出す食堂です。
最初の一年は正直うまくいきませんでした。ランチのお客さんが一日に三〜四人という日もありました。転機は2020年の秋、近所の農家・佐藤農園さんと直接取引を始めたことです。その週に届いた無農薬の小松菜をおひたしにして出したら、「この小松菜どこのですか」と聞いてくれるお客さんが現れました。産地を書いてメニューに載せるようにしたのはその頃からです。少しずつ、食材の話をしに来てくれる人が増えていきました。

三重県産の鰆を白味噌と酒粕で二日間漬け込んでから焼きます。付け合わせは佐藤農園の茄子の煮浸しと、自家製の柴漬け。ご飯は地元・世田谷の精米所から届く新潟産コシヒカリです。

きゅうり、トマト、オクラ、枝豆を出汁ジュレで和えた冷たい一品です。出汁は羅臼昆布と本枯節で引いたものを冷やして固めています。夏の夜の最初の一品としてよく出ます。

鹿児島産の黒豚バラ肉を、醤油・みりん・酒・砂糖だけで三時間かけて煮ています。余計な香辛料は入れません。箸で切れるくらい柔らかくなったら完成です。

卵は埼玉・秩父の養鶏場から届く平飼い卵を使っています。出汁を多めに入れて、銅の卵焼き器でゆっくり巻きます。大根おろしと一緒に出します。

その日の定食と同じ食材を使って詰めています。主菜一品、小鉢二品、ご飯、漬物のシンプルな構成です。容器は繰り返し使えるわっぱ型の木製容器を採用しています。
夏の夜メニューに、羅臼昆布の冷製ジュレで和えた野菜の一品を加えます。きゅうり、トマト、オクラ、枝豆を使った冷たい鉢で、夜の最初の一品としておすすめです。七月一日から七月末まで週替わりで登場します。
六月三日(火)、定休日を使って八名様の貸し切り食事会を行いました。近所の会社の方々で、「社員みんなで一度ちゃんとした食事をしたかった」とのことでした。メニューは当日の食材で組み立てた全六品です。
産地を書いてメニューに載せるようにしたのはその頃からです。
前日に翌日のメニューを決めることはしません。朝、市場と生産者から届いたものを見てから、その日の料理を考えます。だから毎日少しずつ違います。
昆布は北海道・羅臼産、鰹節は枕崎の本枯節を使っています。パックの出汁は使いません。手間ですが、これをやめると料理の土台が変わってしまうので。
メニューには産地と生産者名を書いています。「どこの野菜ですか」と聞かれたら、ちゃんと答えられるようにしておきたいのです。
「出汁ってどうやって引くんですか」と聞かれることが多いので、毎朝やっていることをそのまま書いてみます。特別な道具は要りません。昆布と鰹節と水と、鍋があれば十分です。
夏野菜は、何もしなくてもおいしいものが多いです。問題は「何もしない」の加減で、そこだけ少し気をつけると、家庭でも十分においしく食べられます。
定食のご飯は、おかずと同じくらい大事です。当店では世田谷区内の精米所から届く新潟産コシヒカリを使っていますが、米選びで一番気にしているのは品種よりも精米日付です。
田中 誠一都の懐石料理店「木乃芽」で七年間修業した後、東京・恵比寿のビストロ「ル・コワン」で料理長を二年務めた。2019年春、世田谷の住宅街に「Cook Simple Meal」を開業。懐石で身につけた出汁の技術と、ビストロで覚えた肩の力を抜いた料理の出し方を組み合わせた食堂スタイルが、地元の常連客に支持されている。休日は近所の佐藤農園で農作業を手伝うことがあり、「土を触ると、野菜の扱い方が変わる」が口癖。
ランチは予約なしで大丈夫です。ただし満席の場合はお待ちいただくことがあります。夜は席数が少ないので、できれば前日までにお電話かメールでご連絡ください。当日でも空きがあれば対応します。
ご予約時にお知らせいただければ、できる範囲で対応します。ただし厨房は一人で回しているため、完全な除去対応が難しい場合もあります。重篤なアレルギーがある方は事前にご相談ください。
平日のみの販売です。前日夜までにご予約いただければ確実にご用意します。当日分は数量限定で、売り切れ次第終了です。週によって販売数が変わることがあるので、初めての方はご予約をおすすめします。